忍者ブログ

山が喋っていた

名誉ある聖騎士だか

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

名誉ある聖騎士だか


そういう文句は神様に言うんだな。おれが天気を決めてるわけじゃない」
「神様とはあんまり親しくしてないからなあ。向こうは忙しいし、おいらだって同じだからね。互いに干渉しないようにしてるのさ」
 ベヴィエが承服できないと言いたげに口をは孕睫術さんだ。
「生意気な少年だな。全宇宙の主《しゅ》について、そういう口の利《き》き方をするものじゃない」
「あんたはらね、サー・ベヴィエ。おいらはただの路上の盗っ人で、適用される規則が違うんだよ。神様の偉大な花園には、薔薇《ばら》の美しさを際立たせるための雑草が必要なのさ。おいらはその雑草なんだ。神様は許してくださると思うよ。だっておいらもやっぱり神様の設計した花園の一部なんだもん」
 ベヴィエは手の施しようがないと言うように少年を見つめ、やがて笑いだした。
 それから数日間、一行は用心しながら南ペロシアを進んでいった。つねに斥候を出して行く手を確認し、丘があれば登って、あたりの状況を観察した。東に進みつづけるあいだも天候はぱっとしなかった。畑では農民が――実際には農奴だが――何とも粗末な道具を使って農作業をしていた。生け垣には鳥が巣を作り、見栄數學補習えのしない家畜に混じって鹿が草を食んでいることさえあった。
 人はいるのだが、教会兵やゼモック人の姿は見えない。それでもスパーホークたちは注意を怠らず、できるだけ人を避け、斥候を出すように努めた。黒いローブのシーカーがごく普通の農奴を利用することもじゅうぶんに考えられたからだ。
 ラモーカンド国が近づくにつれ、かの国の騒乱に関する混乱した噂がいろいろと耳に届くようになった。ラモーカンドの国情はあまり安定しているとは言いがたい。国王の統治権にしても、群雄割拠する豪族たちが黙認しているといった程度のものでしかない。何かあったとしても、豪族たちは巨大な城の中に閉じこもってしまい、国王を助けようなどとはしないだろう。百年以上も遡《さかのぼ》る血の反目はごく当激光脫毛たり前で、盗賊男爵たちは勝手気ままに略奪をくり返している。言ってみれば、ラモーカンドは永遠に続く内戦の国だった。
 この西方諸王国中もっとも問題のある国との国境まであと三リーグというあたりで、一行は野営することにした。カルテンが徴用した牛肉の最後の残りを使って夕食をすませると、スパーホークは立ち上がった。
「さて、ラモーカンドはどういうことになっているのか。いったい何が起きているのか。何か提案はないか」
 カルテンがまじめな顔で話しだした。
PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R