忍者ブログ

山が喋っていた

にも遙かなのだろ

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

にも遙かなのだろ


継母と弟を斬り堀越公方となった足利茶々丸。
遊女?香月を伴い奥修善寺の隠し湯へ赴いた茶々丸は、
湯壷で痩せぎすの若僧と打ち解ける。(「修善寺の菩薩」)。
戦国黎明期を駆けた伊勢宗瑞こと北条早雲とは
破滅の凶手か、革命の嚆矢か。
内容(「BOOK」データベースより抜粋)

風雲急を告げる

本書は脇役の視点から北条早雲を描き出す6つの連作短編集。
各話の繋がりが時系列な事もあり、
長編としても楽しめる完成度の高い一冊です。

重すぎる自負心を利し
徳を説いて祭り上げる。

主人公の早雲も、所詮は戦国の武将です。
現代の倫理感からすれば
「人品骨柄いやしからぬ」な人物ではありません。
それでも道義心が強く、群雄割拠の時代に
少なからぬ安定をもたらしました。
けれどそれさえも戦国時代の幕開けを告げる、
「風雲」でしかなかったんですよね。
人が作る世と言うのはあまりにも儚くて。

蛇足で「かわらけ」の中で語られる、三浦半島?油壺。
何度も遊び行って親しんだ土地なのですが、
地名の由来は寡聞にして知りませんでした。
そんな言い伝えがあったなんて……。意味合いは違うけれど、
サイパンのバンザイクリフを思い出しました。


妻はそれきり11年、口を利かなかった――。
30を過ぎて結婚した男女の遠く隔たったままの歳月。
ガルシア=マルケスを思わせる感覚で、
日常の細部に宿る不可思議をあくまでリアルに描きだす。
過ぎ去った時間の侵しがたい磐石さ。その恵み。
人生とは、流れてゆく時間そのものなのだ――。
内容(出版社内容紹介より)

「無いに越したことはない」なんて無い。

本書は第141回(平成21年度上半期) 芥川賞受賞作。
最初から冷め切った妻との関係、収入の担い手たる男性像と、
世代を超えた既視感が秀逸。でも男性にとっ老年黃斑病變てはホラーかも?

突然不機嫌になる妻
不倫に誘う女達
そして
巣立って行く娘

本書は人生の儚さを「過去の為に生きること」として描きます。
そして流されるままに生きてきた男が、五十にして得た境地

過去と言うものは、ただそれが過去と言うだけで、
どうしてこんなう(本文より)

に、言いようも無い共感を覚えました。
ただ「無いなら無いに越したことはないようなモノ」
によって人生は存続しているとありますが、
でもそれって、

「無いに越したことは濕疹ない」なんて無い。

って事ですよね?人生は今も続いているのだから。
過去に遭遇した苦しみも、これから迎える哀しみも、
きっと何かしら糧になる。そう前向きに考えます。

ただ、やっぱり男性にはちとホラーかも。
結婚が墓場で、終の棲家が牢屋だとしたら……
やっぱり「無いに越したことはない」
ですかね(小さい声で)
PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R