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山が喋っていた

にも工作機械型とか

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にも工作機械型とか


「これは仮の姿。本体は山の中に埋まってる。この躰は分離体、俗に言う“のりうつり”っていう状態かな?他にも工作機械型とか、重機型の大型ロボット仕様とか色々なタイプの躰があるよ!今はね、天体観測用のを作ってるところなんだけど、なかなか上手くいかないんだよね、これが……。それで、今のこの姿は妖精遊園地専用バージョンというわけ。」

 そう言って妖精遊園地は楽しげに笑った。

 その顔は、右目はどこかへ落ちて無くなり、虚ろな穴があいていた。もう片方は間に合わせに埋め込んだ青いビー玉。ビスクの肌はひび割れて、所々、欠けている。

「君がその妖精遊園地の“妖精”と言う訳か?」

「一応、そういうこと。」

「戯けを尽くした奴だな。いくらなんでも、この奇っ怪なガラクタ山が妖精遊園地だと言い張るなんて、馬鹿げている。」

「見た目通りに妖怪遊園地じゃ、つまらないじゃない。」

「君は物事を面白いか、面白くないかで決めているのか?」

 カラスがうんざりした顔でそう聞くと、妖精遊園地の小さな頭がコクンとうなずいた。

「付き合ってられない……。」

 再び、カラスは空へ飛び立とうと羽を広げようとしたが、妖精遊園地はカラスの意向などおかまいなしに、目的地へと向かって引っぱって行った。

「どこへ連れていくつもりだ。放してくれ!」

 思いのほか、人形の力は強かった。

「ちょうど暇だったし、ジェットコースターに乗ろうよ。」

「君の都合なんて知ったこっちゃないよ。何故、ワシがジェットコースターなぞに乗らないといけないんだ。」

「いいから、いいから。ジェットコースターとっても楽しいよ。それにカラス様は、妖精遊園地開園して以来、初めてのお客様ですから。おもてなしさせて頂くのは私めの務めでございます。 ささ、こちらへどうぞ……。」

 妖精遊園地はそう言って、カラスを無理やりジェットコースターの席に座らせると、自分も隣の席にちょこんと乗ってシートベルトを締めた。

「それでは、出発進行!」
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